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活動指針の策定にあたり

海外漁業協力財団は1973年6月2日に設立され、2023年6月に設立50周年を迎えました。 設立以来50年に亘り、これまで頂いたご協力とご支援に心より感謝を申し上げます。

財団が設立された1970年代は、各国が自国の200海里内の漁業資源を囲い込む動きが急速に高まり事実上の200海里時代の到来となりました。我が国などの遠洋漁業国にとっては操業環境が激変し、漁業経営そのものを揺るがしかねない厳しい時代の始まりでした。その後の半世紀を経て、地球環境保全や持続的開発という考え方が世界に拡大し、今では、国連が掲げる持続可能な開発目標 (SDGs)及びそのコンセプトは広く世界が共有するところとなっています。漁業や水産資源を巡っては、資源の持続的利用の原則を各国が共有し国際的な枠組みの下で資源を有効に利用していくという体制が確立しつつあります。
 
財団設立の目的は「我が国海外漁場及び漁船の安全操業の確保並びに我が国への水産物の安定的な供給の確保に資すること(定款第3条)」です。今後財団が取り組んでいくべき方向性を明らかにするための活動指針をとりまとめました。
活動指針の策定にあたっては、設立50周年を機に実施した我が国関係業界や関係国との意見交換等、そして、関係国に対する協力事業の実施などを通じ、幅広い意見を取り入れながら最終化したものです。
 この活動指針は、財団がその目的を達成するため、時代の変化、環境の変化等に応じ、適時的確に修正を加えていくこととしています。(2023年12月)



海外漁業協力財団のSDGsへの取り組みはこちら↓
海外漁業協力財団活動指針
OUR CONCEPT

海外漁業協力財団は、我が国海外漁場及び漁船の安全操業の確保並びに
我が国への水産物の安定的な供給の確保のため、以下の3点を基本として事業を実施します。
1.我が国遠洋漁業・合弁企業を通じた我が国への水産の安定供給の確保

2.関係沿岸国及び関係関等が取り組む水産資源の持続的利用体制の強化

3.地球環境に配慮した関係沿岸国等における水産業の開発

世界的な人口増加や健康志向の高まり等により世界の水産物の需要は増加し、水産資源を巡る獲得競争はさらに激化していくことが予想されます。水産物は日本人にとって重要なタンパク質供給源の一つであり、食料安全保障の観点からも、公海を含む海外漁場における我が国漁船の安定的操業や関連法人の活動を通じて、水産物を安定的に供給していくことが不可欠です。

海外漁場においては、沿岸国との二国間協議や多国間の枠組みにおける協議を通じた海洋水産資源の持続的利用が求められます。しかしながら、各国の利害や環境保護の動きが複雑に絡み合い、その確保に向けての話し合いはますます難しいものとなっています。一方、各国の漁業者には科学的情報に基づく持続的利用の原則に則った国際的な合意の下での責任ある漁業活動が求められています。

このため、IUU漁業を含む資源管理上の課題等の水産情勢や、漁業の量から質への転換・付加価値の創出を含む関係沿岸国の開発のニーズを的確にとらえ、これらにフットワーク良く対応し、責任ある漁業活動の促進に必要な支援を積極的に行います。

同時に、地球環境の保全なくして持続的な漁業開発は実現できません。地球や海への感謝の気持ちを忘れず、地球温暖化の防止や海洋生態系を保全しながら生産力向上を図る取り組みなど、持続可能な社会の実現に貢献する協力・支援を推進し、経済発展と地球環境保全の調和の下での持続可能な漁業の実現を目指します。
 
これらの推進に際しては、各国が策定する関連戦略や漁業が各国の食料安全保障に果たす役割の重要性を意識しつつ、また、それぞれの地域の自然が持つ多様性と伝統的知識や価値観、地域関係者の意向を尊重しつつ、女性を含む全ての関係者が参画しやすい環境を整備できるよう、長期的な視点から人的及び社会的資本の育成に努めます。

上記事項の実現のため、適格な専門家及び職員を持続的に確保するとともに、財団内での議論や外部との意見交換を積極的に行うことにより新たな知識・スキルを取り入れ、個々人及び組織の能力並びにパフォーマンスの向上を目指します。
(2023年12月)

※定款第3条 (目的)
この法人は、海外の地域における水産業の開発、振興等及び国際的な資源管理に資する海外漁業協力事業を行い、もって我が国海外漁場及び漁船の安全操業の確保並びに我が国への水産物の安定的な供給の確保に資することを目的とする。
設立50周年記念行事
EVENT
設立記念日を挟んで約1年間(2022年12月~2023年12月)を記念イヤーとして
以下の記念行事を実施しました。
1.記念レセプション
   日 程: 2023年6月2日(金)
2.パネルディスカッション、講演会等
   日 程: 2022年12月14日(水)
   内 容: 「経済発展と環境保全の調和の下で持続可能な漁業開発」をテーマに、関係国と我が国有識者で議論

(2)関係業界団体と理事長との座談会等
   日 程: 2023年7月~10月
   内 容: 関係業界が求めるこれからの海外漁  業協力や財団協力事業の方向性などについて、業界団体の代表者と理事長との座談会、財団事業の評価委員である外部有識者との意見交換会を開催した。
1. 日本かつお・まぐろ漁業協同組合 香川謙二組合長との座談会(2023年7月19日)
2. 海外まき網漁業協会 中前明会長との座談会(2023年8月29日)
3. 有識者評価委員意見交換会(2023年9月14日)
4. 日本トロール底魚協会 吉田光徳会長との座談会(2023年10月16日)
   日 程: 2023年11月9日(木)
   内 容:「経済発展と環境保全の調和の下で持続可能な漁業開発」をテーマに、関係国と我が国有識者で議論
3.50周年記念誌の発刊
 1973年の財団設立から2023年までの50年間における我が国の遠洋漁業を取り巻く環境を概観し、折々の財団事業の展開を記述した50年史を発刊いたしました。
4.活動指針の策定
 今後の財団の活動の方向性について、海外漁業協力財団活動指針を策定しました。
5.記念ロゴ、スローガンの作成
 2023年に設立50周年を迎えるにあたっての記念ロゴと今後の活動のためのスローガンを作成しました。
50周年ロゴマークとスローガン
LOGO AND SLOGAN


50周年ロゴマーク

海の青を基調とし、50年間に財団が築いてきた関係国、関係者との
絆を今後とも大切にしたいという気持ちを表現しました。
50周年スローガン

財団の英語表記であるOFCFを頭文字として、持続可能な漁業や地球環境保全など将来の課題に挑戦するため、着実に、前を向いて取り組んでいくという役職員の決意を込めました。

当財団に関する詳しい情報は、HPをご覧ください。
TEL. 03-6895-5381
受付時間/平日 09:00~17:00(土曜・日曜・祝日休み)