海外漁業協力財団は、我が国漁船の海外漁場の確保及び我が国への水産物の安定供給の確保に貢献することを目的として、日本と水産分野で緊密な関係にある沿岸国・国際機関に対し、協力事業を実施しています。
財団の協力事業は、農林水産省の国際漁業振興協力事業費補助金を主な財源としており、事業の内容・対象国などは、水産庁が策定する公募要領( 相手国からの要請や我が国漁船の入漁の状況などを勘定して策定される。)に基づく他、関係団体の意見も参考に決定しています。事業は、年初に策定する事業計画に従い当該年度中に完了します。
事業の実施地域は、太平洋地域とそれ以外(アジア、アフリカ、中・南米)に大別され、それぞれの地域において入漁国の特性とニーズに可能な限り合致した事業を実施しています。
太平洋地域は、我が国漁業者にとって非常に重要な漁場であり、年間19.4万トン(2021年)のかつお・まぐろ類を漁獲しています。この水域の漁場に依存する日本の漁業者は多く、関係沿岸国からの協力要請も多いことから、入漁協定を締結している9か国(キリバス、ソロモン諸島、ツバル、ナウル、パプアニューギニア、パラオ、フィジー、マーシャル、ミクロネシア)を対象として地域巡回機能回復等推進事業(FDAPIN※)を毎年実施しています。この他、研修生受入や専門家派遣も適宜実施しています。
一方、太平洋以外の地域においては、関係沿岸国の外国漁船に対する政策の変更や海賊の横行による入漁の阻害、漁場形成の変動に伴う重要国の移り変わりなどに対応するため、毎年最も優先度の高い数か国を選定して研修生の受入や専門家を派遣しての技術協力を実施しています。
財団は、これらの協力事業を効果的・効率的に実施するため下記の事業評価を行い、評価結果を協力事業の運営・管理の改善に活用するとともに、今後の事業の企画・立案に活かしています。
財団の協力事業は、農林水産省の国際漁業振興協力事業費補助金を主な財源としており、事業の内容・対象国などは、水産庁が策定する公募要領( 相手国からの要請や我が国漁船の入漁の状況などを勘定して策定される。)に基づく他、関係団体の意見も参考に決定しています。事業は、年初に策定する事業計画に従い当該年度中に完了します。
事業の実施地域は、太平洋地域とそれ以外(アジア、アフリカ、中・南米)に大別され、それぞれの地域において入漁国の特性とニーズに可能な限り合致した事業を実施しています。
太平洋地域は、我が国漁業者にとって非常に重要な漁場であり、年間19.4万トン(2021年)のかつお・まぐろ類を漁獲しています。この水域の漁場に依存する日本の漁業者は多く、関係沿岸国からの協力要請も多いことから、入漁協定を締結している9か国(キリバス、ソロモン諸島、ツバル、ナウル、パプアニューギニア、パラオ、フィジー、マーシャル、ミクロネシア)を対象として地域巡回機能回復等推進事業(FDAPIN※)を毎年実施しています。この他、研修生受入や専門家派遣も適宜実施しています。
一方、太平洋以外の地域においては、関係沿岸国の外国漁船に対する政策の変更や海賊の横行による入漁の阻害、漁場形成の変動に伴う重要国の移り変わりなどに対応するため、毎年最も優先度の高い数か国を選定して研修生の受入や専門家を派遣しての技術協力を実施しています。
財団は、これらの協力事業を効果的・効率的に実施するため下記の事業評価を行い、評価結果を協力事業の運営・管理の改善に活用するとともに、今後の事業の企画・立案に活かしています。
※The Project for Fisheries Development Assistance in Pacific Islands Nations:老朽化・遊休化した水産関連施設の修理・修復や運営・管理に対する助言、現地技術者への技術移転を行う事業です。 FDAPIN(フダピン)の名称で親しまれています。
評価の種類と目的
(1)評価の種類
事業の評価は、「終了時」及び「事後」の2つに分け、評価の基準となる評価項目を設けて行っています。
(農林水産省の国際漁業振興協力事業が2010年度から事業実施主体を公募制としたことから単年度毎の評価としております。)
終了時評価 | プロジェクト終了時に行います。 |
事後評価(現地評価調査) | プロジェクトが終了し、一定年月を経た段階で行います。 |
(2)評価の目的
財団の行っている評価の目的は、主として次の2点です。
- 今後の協力事業の企画・立案に評価結果や教訓・提言をフィードバックさせることで、協力事業の質の向上を図ります。
- 評価情報を公開することにより、協力事業の透明性の確保や説明責任を遂行します。
評価システム
財団では、評価の客観性や公正性、信頼性、透明性の確保などを図るため、外部の学識経験者により構成される「海外漁業協力事業有識者評価委員会」を設置しています。評価委員会では、評価のあり方、評価手法など、財団の評価事業についての検討を行っています。
また、評価委員を中心とする調査団を編成し、協力事業の実施国を訪問する現地評価調査(事後評価)を行っています。
財団の評価システム
評価項目と評価の観点
財団では、経済協力開発機構(OECD)の開発援助委員会(DAC)の評価基準「DAC5項目」【(1)妥当性-Relevance(2)効率性-Efficiency(3)有効性-Effectiveness(4)インパクト-Impact(5)持続性-Sustainability】を参考にしつつ、それぞれの項目について評価の観点を定めて評価を実施しています。
評価項目 | 評価の観点 |
妥当性 |
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効率性 |
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有効性 |
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インパクト |
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持続性 |
|
上記の評価項目のうち、「持続性」については、事業実施対象国における①慢性的な国家予算の不足による維持管理経費などの不足、②カウンターパートの退職、転出などによる技術承継の中断、③対象地域における海洋性熱帯気候、特に台風や海岸浸食などの天災に対する社会インフラの脆弱性などが存在し、負の影響を与えることが懸念されます。特に太平洋島嶼国は、広大なエリアに点在する島々により成り立っており、一国あたりの人口が少なく、気候変動や国際経済情勢の変化の影響を受け易いこと、基礎的インフラの不備及び過大な行政コストなどの共通の課題を抱え、持続可能な開発が困難とされていることから、プロジェクトの効果を持続できるよう、海外駐在員事務所(フィジー)及び同出張所(ミクロネシア)や対象国政府の水産局長クラスを招集した連絡協議会の開催機会を有効に活用して事業実施後におけるモニターを継続し、対策を検討していく必要があると考えています。
評価結果の活用
評価により得られた評価結果や教訓・提言を、実施中の協力事業や新たに実施しようとする類似の協力事業の企画・立案にフィードバックし、協力事業の効果的・効率的な実施に役立てています。
評価委員が行う現地評価調査では、調査対象国を訪問し、プロジェクトサイトの視察、プロジェクト関係者へのインタビューを行い、プロジェクトの効率性、 有効性、持続性などを調査します。調査後には、評価結果や教訓・提言を含む現地評価調査報告書を作成し、調査対象国の言語に翻訳して送付することで、相手国政府がこれらの教訓・提言をプロジェクトの運営・管理に役立てることができるようにしています。