地域巡回機能回復等推進事業(FDAPIN)@太平洋島嶼国
Q1.FDAPINとは?
太平洋島嶼国のうち日本と入漁協定を結んでいる9か国(キリバス、ソロモン諸島、ツバル、ナウル、パプアニューギニア、パラオ、フィジー、マーシャル、ミクロネシア)において、老朽化・遊休化した水産関連施設が安定的に稼働するよう、これらの施設・設備の修理・修復や運営・管理に対する助言、現地技術者への技術移転を行う事業です。
プロジェクトの英名は「The Project for Fisheries Development Assistance for Pacific Island Nations」です。このため、その頭文字をとって「FDAPIN(フダピン)」と呼んでいます。
Q2.FDAPIN実施の背景は?
太平洋島嶼国には、各国の沿岸漁業振興において重要な役割を果たす水産関連施設が日本の無償援助などにより設置されています。しかしながら、これらの施設の一部は、故障や老朽化、運営・管理の不備により十分に機能を発揮できず漁業開発の推進に支障をきたしています。このため海外漁業協力財団は、関係沿岸国と日本とのより良い関係構築を目指し、これら水産関連施設の有効な活用に向けた技術協力を行うに至りました。
Q3.FDAPINの内容は?
例えば、フィジーでは、ブニセアという地区にある製氷施設の修理・修復と、それらに関する技術指導を行いました。
まずは製氷施設を円滑に稼働させるべく、老朽化していた製氷施設の発電機とその他の部品を交換しました。しかし、施設を修理して一時的に稼働するようになるだけでは、持続的な生産と長期的な漁業振興には繋がりません。そのため、現地の人たちの施設維持管理スキルの向上を目的とし、製氷施設の氷販売担当者に対して発電機と製氷機の定期的な整備方法やデータの記録方法に関する技術指導を行いました。
Q4.FDAPINの成果は?
フィジーのブニセア製氷施設からの氷の供給に頼っている周辺の漁業者は27名。製氷機が順調に稼働することでこれら漁業者の仕事の生産性が向上し、現地の漁業の発展へと繋がります。また、この製氷施設の機能回復による影響を受ける周辺住民は約11,000人に及びます。これらの人々は漁業者が漁獲する魚の恩恵を受ける消費者であり、安定的に氷を供給できるようになることで魚の鮮度を保持することができ、これらの人々の安心・安全な食生活の実現に繋がると期待できます。