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技術協力

技術協力

我が国漁業者が外国の排他的経済水域内で操業するためには、相手国との間で協議を行い、入漁条件に合意する必要があります。その際、相手国からは自国の漁業開発のための水産インフラの整備、水産加工技術の指導など様々な協力要請が出されます。我が国の漁業者の安定的かつ継続的な入漁機会を確保するためには、それらにタイムリーに応える必要があります。
海外漁業協力財団はこのような相手国からの要請に応え、専門家の派遣、必要な資機材の供与、研修生の受入といった技術協力を実施しています。主な実施国はアフリカ地域、太平洋地域の関係沿岸国または国際機関などで、協力事業を通じて関係国・地域との良好な関係を築きます。
以下に協力事業の一部を紹介します。

研修生の受入(水産指導者養成コース)

水産指導者養成コースでは、我が国と漁業関係のある国から、将来水産行政において指導的役割を果たすことが期待される行政官や研究者を対象として、水産資源・流通・経済など各分野の専門家による大学院修士課程レベルの水産専門講義、演習、実習及び個別課題研究を中心とする研修を実施しています。本コースの修了者は帰国後、漁業担当次官など重要なポストに登用されることもあり、我が国との良好な関係構築に大きく貢献しています。
財団の研修事業では、上記の他にも乗組員養成コースなど目的別に研修コースを開設しており、これまで3,400人以上の研修生を受け入れています(2022年3月現在)。

科学オブザーバー調査分析事業

かつお・まぐろ類などの水産資源の適切な管理、持続的利用を推進するため、地域漁業管理機関(RFMO※) の保存管理措置に基づき、国際基準に準拠した科学オブザーバーの育成、我が国漁船への配乗、科学データの収集などを実施しています。科学オブザーバーが収集する漁獲対象魚種及び混獲生物に関するデータは、国立研究開発法人  水産研究・教育機構 、RFMOなどで分析され、各機関の資源の評価と保存管理に貢献しています。
本事業は、国立研究開発法人 水産研究・教育機構及びまぐろ漁業関係団体の協力により実施されており、これまで科学オブザーバーとして1,000航海以上の配乗実績があります(2022年3月現在)。

※Regional Fisheries Management Organization:水産資源の持続的利用の実現を目的として、個別の条約に基づいて設立されています。かつお・まぐろ資源の場合、地域または魚種別に世界に五つのRFMOが存在し、必要な保存管理措置を導入して管理しています。

パプアニューギニアにおける定置網試験調査プロジェクト

プロジェクトタイプの協力事業の一つです。
パプアニューギニア周辺はかつお・まぐろの好漁場で、我が国漁船にとって重要な漁場の一つです。パプアニューギニアも、近年、自国のまき網漁業を中心とする企業型の漁業と陸上加工業の開発が進んでいます。一方、沿岸漁業の開発は遅れており、パプアニューギニア水産公社は沿岸漁業開発に有効な漁業として定置網漁業の導入を進めることとし、自ら定置網を調達するとともに財団に技術協力を要請しました。この要請に対して、財団は2013年度から専門家を派遣し、定置網漁業を実施するために必要な情報収集、現地での定置網技術の導入・普及、人材の育成を行っています。現在は3州の沿岸コミュニティーによる自立的な定置網の運営が始められています。財団の協力事業はパプアニューギニア水産公社から高く評価されており、極めて良好な漁業関係の維持・強化に貢献しています。
定置網操業
漁獲物の仕分け

水産関連施設の機能回復事業

アフリカ諸国や太平洋島嶼国などにある水産関連施設(製氷施設、ワークショップ、漁船、調査船など)は、各国の沿岸漁業開発に必要不可欠であるにもかかわらず、自然災害などによるものの他、維持・管理や修理のための技術力不足、資金不足によって機能が低下しているものが少なくありません。
財団はこれらの国々からの要請を受けて必要な分野の専門家を派遣するとともに、修理・修復のための資機材を提供し、水産関連施設の機能を回復しています。同時に資機材の維持・管理や修理・修復にかかる技術指導、施設の有効活用に対するアドバイスを行い、各国の沿岸漁業開発を支援しています。
特に太平洋島嶼国においては、財団の海外駐在員事務所をフィジーに、出張所をミクロネシアに設置し、専門家が定期的に各国を巡回することにより、相手国のニーズにきめ細かく対応し、二国間の信頼関係の強化に貢献しています。

カーボンニュートラル技術等支援事業

我が国と入漁を始めとする水産分野での協力関係を有する途上国におけるカーボンニュートラルの推進等環境対策を支援するため、水産関連資機材について再生可能エネルギーの導入及び特定フロン対策として新代用冷媒への転換など地球環境に配慮した水産関係施設への移行を進め、また、使用方法に関する技術指導を行っています。さらに、ブルーカーボン吸収源の活用を推進する取り組みについても支援しています。

漁業協力協議会の開催

我が国かつお・まぐろ漁船の主要な漁場となっている太平洋島嶼国水域への入漁を継続的に確保するためには、これらの国・地域との良好な関係を構築する必要があります。太平洋島嶼国は、17の国・地域で構成されるフォーラム漁業機関(FFA)を通じて地域の漁業問題を取り扱っており、我が国はFFAとの協議会を開催して、漁業協力、保存管理措置、入漁協定などについて率直な意見交換を行い、より緊密な互恵的協力関係の構築や共通認識の醸成を図っています。

交渉支援

我が国または我が国の民間漁業団体は、世界的にも有数のかつお・まぐろ類の漁場を有する太平洋地域のキリバス、ソロモン諸島、ツバル、ナウル、パプアニューギニア、パラオ、フィジー、マーシャル及びミクロネシアの9か国とそれぞれ漁業協定を締結し、我が国漁船の入漁を確保しています。毎年行われる漁業交渉には財団の職員などを派遣し、入漁条件などに関する協議のうち、主に民間ベースの漁業協力についての意見交換をサポートして、海外漁場の確保を図り、長期的な友好・協力関係の維持・強化に貢献しています。

要人招請

我が国と漁業関係のある関係国又は国際機関から大臣・次官または事務局長クラスの要人を招請し、我が国漁業の実情視察、国内関係機関・団体との協議、漁業者との交流などを通じ、相互理解と友好関係を深めます。
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